脳内音吐

焦点、どうってことない。

8/16 水

7:40起床。今日は待ちに待った東京散歩である。正確には東京在住のおじさんに会う。この前帰ってきた時に会えず終いだったため今日がリベンジ日。いそいそと身支度を整え待ち合わせの10分前に到着。彼は白シャツに黒い半パンをきて平成初期チックなポーチを背負っていた。こんな高身長なのに服を遊ばせないなんて!など心で言う。身長高い人を見ると服のレパートリーが増える点でいつも嫉妬する。オーバーオール着ても子供っぽくならないし、フレアっぽいズボンを履いても引きずったりしない。ユニクロで裾直しなんかしたことないやろ。

彼はいい歳の取り方をしてる気がした。なんて言うか、大人の余裕と大人の色気と大人の間の取り方が溢れ出てると言うよりかはほんのり薫ってる感じ。お昼に銀座を軽く選んでしまうあたりもやり手だなと思った。大人ってこう言う人のことを言うんちゃうか?と少し憧れてしまう。おれはその歳まで生きられるだろうか。

お昼は黒豚をメインに扱っている黒壁のお店。東京シティボーイに負けじとオシャレしてきて良かったと思う。僭越ながらだが、おれは服を選ぶのが上手いと思っている。量産型ではなく自分が着たい服を着ているからかもしれない。だって自分がオシャレ~って思うんやもん。足りないのは身長だけ。

彼は蒸籠蒸しを注文。同じのにしたくない変な癖があり、トンカツを注文した。ここは一部がビュッフェになっている。野菜をたんもり盛り、デザートを3個ほどとってしまった。これで1400円は妥当では?え、東京ってもっとするんかと思ってた。と心の中でコントをした。すると彼が「東京に出てくることあんまりないでしょ?」と言った。このあたりに友達とかおらんし、出てきても何していいか分からへんと言うと笑ってた。そこからポツポツと話を始め、仕事の話、銀座の街の話、お店の話、交友関係の話、年齢による冠婚葬祭の話、学生時代の話、恋バナをした。あんまり気を遣わずに話せる人は中々いない。この人は信用できる大人やな〜としみじみ見つめてしまう。

話が途切れようとした暮れ「そろそろ席のお時間です」とアナウンスが入った。「カフェに行こうか。」と言われ即答で頷いた。時間が足りない。

財布を出すと彼が「だすよ」と言った。さっすが〜〜!!!と溢れんばかりのヨイショする。心の中で。「ありがとうございます」と素直にお礼した。

東京のスタバに行ってみたが案の定満席だった。東京のスタバ、広かった。2階席が広かった。地元に2階席あるスタバなんてあったっけな。あとは何も変わらん感じがした。

「コーヒー飲めるんだっけ?」と今更言う。好んで飲まへん。でも全然好き。あでも喫茶店は好き。と言うとちょっと悩んでから別の店へ。ここで携帯を取り出さずに代替店出てくるのは高度すぎる。おっとな〜〜とまたヨイショした。もちろん心の中で。

にしてもやっぱり身長差があるから歩幅が合わない。彼の一歩はおれの二歩に及ぶ。でも気がついたのか少しスピードを落としてくれた。しんし〜〜!とヨイショ。ほんと出来上がった大人やわ。今日会ってまだ数時間しか経っていないが確信した。

東京のスタバから歩くこと5分くらいでついた。入り口が分からずキョロキョロしてると「過ぎてるよ」と肩を掴まれ回れ右された。クレーンゲームの掴まれる人形みたいに。そのまま入店。

落ち着いた照明にコーヒーマシンが棚に置かれ、広々とした店内。人はほとんどおらず奥のソファ席に座る。「今日は空いてるね」と彼がよく来るところだったらしい。さすが東京シティボーイ。

どうやら彼は甘いものが食べたいらしい。おれも同じ。最近はご飯の後に何か甘いものを摂取しないと満足できない身体になっている。思い当たるのはストレスしかないが、甘いものを食べてる時の至福さは格別だ。注文を終えて店内を見渡す。後ろを振り返ると銀座の少し外れた道、前を向くと彼の顔面とその奥には奥行きがたっぷりあるカウンター席、と何やらドアらしき隙間が空いた壁。店員さんは2人で今日切り盛りしてるらしい。彼と過去の恋バナを始め、酸っぱすぎる青春を吐露する。きっかけになった話、ぞっこんした恋の話、その後はどうなったのか、今でも連絡は取り合うのか、など深い部分まで話した。ケーキを食べながら酸っぱさを逃す。彼の話も聞くが、想像以上のことで少し驚いた。あ、好かれるタイプの人間だ。と思った。

自慢っぽく聞こえなかったり、切なさとか後悔の念を感じなかったり、ただただ過去の思い出として話せる人はなかなかいない。やっぱり彼は大人だ。おれの理想とする大人だった。

途中、彼がお手洗いに。この店にあんのか?と思っていたら。ドアらしき壁の隙間に手をかざし、押した。そこがトイレなんは分からんすぎる。どうみたって非常口か倉庫の感じやもん。

入店してから30分ぐらい経つとゾロゾロと店内が混み出してきた。ケーキとコーヒーを食い干し、だけどまだ一緒にいたいな〜と思っていたら店員さんが水を入れてくれた。いつも思うが、この行為は「はよ出ていけ」の合図か?京都を基準だと思ってしまうとどうもその感じがしてならない。

そこから数十分粘って退店。その前にちゃんと用を足しておいた。

お使いを頼まれた銀座の塩パンを買いに行くと言うと、地図上で案内をしてくれた。今日のお礼とまた連絡することを伝え解散する。

あーもう終わっちった。まだ話したかったなと思いつつ、いつも口と行動にはでない。足りないくらいがちょうどいいと宇多田ヒカルは言っていたからこれで良い。あ、でもインスタ交換するの忘れてた。あとで聞こうと思いながら、銀座の塩パン屋に並ぶ。後ろの東京マダムが「いっつも2時間は待つのよ。でも今日は早く買えそう」と言っていた。おれの注文番がくるまで約30分。2時間は盛りすぎちゃう?

ホカホカの塩パンを購入後、彼に撮った写真を送る。その流れでインスタ交換を狙う。現在16:00前。彼に教えてもらった静かな喫茶店にでも行こうかと思ったが、ホカホカの塩パンを手に持っているうちに家に帰ろうと思い東京を後にする。帰路途中に彼から「ちゃんと買えたんだね!」と返信が。帰宅後、少し冷めた塩パンをたべながらカレーライスを食べる。さすが銀座の塩パン。硬めの生地がたまらんくて塩加減もちょうどよかった。皆んなも美味い美味い言って食っていた。

夕食後、風呂に入りまったりする。おばあちゃんと銀座のどこどこに行ってきた、何線が近いかなど話す。おばあちゃんは土産話が好きだと感じる。寝る前、彼と連絡をとっていると、インスタではなくツイッターを交換することになった。インスタがええんやけどな、とめげずに交渉を続ける。今日は楽しかった。小学生みたいな感想が一番純粋だと思う。眠たくなるまでゴロゴロし23:30就寝。